長尾衣里子の快著『ルーツを追って』

2017.04.06 Thursday

0
    長尾衣里子著 
    『ルーツを追って 恐竜時代前に天下をとったほ乳類の先祖たち』
    2017年3月22日 誠文堂新光社発行
    A5判、96頁、定価1000円+税

    目次

    まえがき …………………………………………… 002
    口絵 盤竜類たち ………………………………… 004
       獣弓類たち ………………………………・ 006
    南アフリカ共和国カルー盆地発掘大作戦 ……… 009
    ディメトロドンの帆くらべ ……………………… 056
    ゴルゴノプス類の感覚ヒゲ ……………………… 061
    ラキオケファルスの第三の目 …………………… 074
    毒牙をもつテロケファルス類 …………………… 070
    成長の止まったほ乳類 …………………………… 073
    キノドン類、最後の生き残りは日本人に ……… 087
    エッセイ〜あとがきに代えて …………………… 089    

    まえがき

     古生物学者には、タイムマシン開発なんて必要な
    いようだ。なぜなら彼らは、頭の中につちかった自
    前のタイムマシンで、自由に時間をさかのぼること
    ができるからだ。南アフリカ博物館のデパートメン
    ト・オブ・カルーの頭〔ヘッド〕であるロジャー・
    スミス博士も、その一人。彼の運転する車が走りだ
    せば、大カルー盆地への時間旅行が始まる。
     めざす時代は、ベルム紀後期〜三畳紀前期。まだ、
    恐竜もほ乳類も誕生していなかった頃のわれらがご
    先祖様たちが一世風靡していた世界がくり広げられ
    る。
     地面に巣穴を掘って暮らしていたディイクトド
    ン、トクサなどの繊維質の強い植物を食べて世界中
    で繁栄したリストロサウルス、感覚ヒゲの起源ゴル
    ゴノプス類、腹式呼吸を始めたキノドン類など。発
    掘現場で、地球の記憶のかけら「化石」を拾い集め
    て、私たちの体の中をめぐるほ乳類の血のルーツを
    さぐる。
     題して「ルーツを追って――恐竜時代前に天下を
    とったほ乳類の祖先たち」。 SF小説ならぬ、サイエ
    ンス・ドキュメンタリーとして、このタイムマシン
    のいらない時間旅行に、少しの間おつきあいいただ
    ければ幸いなこと、この上ない。私たちの遺伝子を
    ひもとけば、彼らにつながるほ乳類のご先祖様たち
    の記憶がよみがえるのだから……。
                     長尾衣里子

    。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

    ●長尾衣里子氏の近著を拝読した。長尾氏は、昭和女子大卒業後、
    『銀河宇宙オデッセイ』『ナノ・スペース』(NHK出版)等の編集
    を経て、現在、サイエンスライターとして活動しておられる。
    ●私は、本書を見て、カルー国立公園等で、貴重な化石が、ケース
    に入れられて、野外展示されているのに驚いた。はるか彼方の時代
    に、思いを馳せて活動する著者の生き方に、惹かれるものがある。
    ●発行元の誠文堂新光社は、私が40年前に、辞典部でお世話に
    なった出版社。日本出版文化史上でも誇れる老舗である。今日は
    素晴らしい著書に出会えた。


    ■『ルーツを追って 恐竜時代前に天下をとったほ乳類の先祖たち』


    ■カルー国立公園での野外展示


    ■長尾氏の前著 『三つの天窓』