平成26年度京都府公立高校入試に『可笑記』出題

2017.05.03 Wednesday

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    ■平成26年度京都府公立高等学校入学者選抜のための学力検査に『可笑記』が出題された。平成23年に続いて、平成26年度も出題された。

    ●私は、大学2年の終りの頃、『徳川文芸類聚』でこの作品を初めて読んで、私自身、大変勉強になると思ったし、殊に、その批判的要素には感激した。それで、卒論に選び、以後、ずっとこの作品と作者について研究してきた。この作品やこの作者・如儡子、斎藤親盛は、決して軽く見るべきではなく、日本文学史の上でも、それなりの位置を占めるものと思う。その意味でも、平成23年に続いて、今回も出題されたことに感謝する。今回の出題は、巻3の25段から出題された。
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    『可笑記』巻3の25段は、寛永19年版11行本では、次の如くである。
    振り仮名は省略した。

    ▲むかし、弘法大師、諸国を修行有しに、江州すりはりとうげにて、
    一人の老翁が、斧を石にあてゝひた物すりまはるあり。
    弘法、御覧じて、
     いかに翁殿、其斧をすりて、何にし給ふ。
    翁答て、
     針に仕る。
    弘法、からからと、わらひて、
     扨、いつの世にか、其をのをすりほそめて、針にし給ふべき。其をのよりは、 
     そなたの命こそ、はやく、すりへるべけれ。
    翁、かしらをあげて、弘法の御かほを、つやつやと、まもり、
     なふ御坊、其心中にては、学文成がたし。それ、世間の無常老若、さだめが
     たし。其上、事をつとめんに、命期しられざるとて、むなしく、やむべけん
     や。さあらば、さいふ法師の修行も、無益成へし。
    と云に、弘法、あつと心付給へば、この翁、
     我は、是、此山の神。
    とて、光をはなちて、飛給ふ。すりはりの大明神、是也、と。


    ■平成26年度京都府公立高等学校入学者選抜試験問題