『桜斎随筆』 の活用

2016.10.22 Saturday

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    近世・近代における災害観と浅間山イメージ
    A View of Disasters and Image of Mt.Asama from Early Modern to
    Modern age

    玉井建也*・馬場章*
    Tatsuya Tamai, Akira Baba

    【東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究 77】

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    鹿島神宮の宮司である鹿島則孝の『桜斎随
    筆』をみると浅間山周辺の様子に関して「不毛
    の広野数里に亘りて、只焼土に雑草を生ずるを
    見るのみ、一の大樹なくハ往昔噴火の最も甚た
    しかりしを想像する」と述べられている(26)。こ
    の記述は明治19 (1886) 年のもので、未だ雑草
    が生えるのみという浅間焼けの影響が残ってい
    る点がうかがえることが指摘できるが、「往昔」を
    「想像する」とあるように何より遠い昔の出来
    事として振り返られる対象となっていることも
    うかがえる。このように浅間山の噴火というこ
    とに対して、浅間焼けから時間的な距離感が生
    まれたことは他の文章からも確認できる。
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    (26) 鹿島則孝『桜斎随筆』(本の友社、2002年)第44冊巻38。
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         東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究 77 近世・近代における災害観と浅間山イメージ 15

    玉井 建也(たまい たつや)
    1979年生まれ。
    [専攻領域] 日本近世史・コンテンツ学。
    [所属]
    東京大学大学院情報学環特任研究員

    馬場 章(ばば あきら)
    1958年生まれ。
    [専攻領域] コンテンツ創造科学・歴史情報論・デジタルアーカイブ学・社会
    [所属] 東京大学大学院情報学環教授
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    ●鹿島則孝の『桜斎随筆』も、近年、諸方面の
    研究者によって活用されるようになった。私の
    願ったことは、予想通りに進んでいる。だから、
    学問の世界は、面白いのである。

    ■『桜斎随筆』第14巻、平成13年11月10日、本の友社発行
      編著者=鹿島則孝、編者=鹿島則良・深沢秋男


    ■『桜斎随筆』第14巻、(第44冊、巻38巻、33丁表)