『古典文学の常識を疑う』 刊

2017.06.17 Saturday

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    『古典文学の常識を疑う』

    松田 浩・上原作和
    佐谷眞木人・佐伯孝弘 編

    2017年5月31日、勉誠出版発行
    A5判、230頁、定価2800円+税



     目次

     はじめに

    第一部 上代文学

    『万葉集』が「天皇から庶民まで」の歌集というのは本当か  品田悦一
    「枕詞は訳さない」でいいのか               大浦誠士
    『万葉集』の本来の姿はどのようなものか      小松(小川)靖彦
    五七のリズムは日本固有のものか              岡部隆志
    万葉仮名は日本語表記のための発明か           遠藤耕太郎
    上代文学はどのような古代日本語で表されているのか     奥村和美
    『古事記』と『日本書紀』の〈歴史観〉はどのように異なるのか 松田浩
    『日本書紀』は「歴史書」か                山田 純
    『古事記』の出雲神話をどう読むか             三浦佑之
    『古事記』の神話は日本固有のものか           猪股ときわ
    天照大御神は太陽神か                   烏谷知子
    「風土記」は在地の伝承か                 飯泉健司
    『日本霊異記』は日本の仏教説話集の濫觴か         山本大介

    第二部 平安朝時代文学

    「国風文化」をどう捉えるか                渡辺秀夫
    注釈学の発生メカニズムは解明可能か            東 望歩
    物語文学史の空白は書き換え可能か             渡辺泰宏
    文献空白期の平安時代琴史                正道寺康子
    諸本論は『枕草子』研究を革新できるか           山中悠希
    五味文彦『『枕草子』の歴史学』の「新説」を検証する   津島知明
    紫の上妻妾婚姻論は平安時代の結婚をどう読み替え得たか  鵜飼祐江
    『源氏物語』の巻々はどのような順番で作られたか?    中川照将
    『源氏物語』作中人物論の常識を問う           竹内正彦 
    『源氏物語』宇治十帖の謎                三村友希
    『源氏物語』校訂本文はとこまで平安時代に遡及し得るか  上原作和
    『源氏物語』の注釈書はなぜ思想書となったか       湯浅幸代      
    古筆研究はどこまで文学史を書き換えたか         仁平道明
    作家の古典現代語訳はどのように推敲されたか       上原作和

    第三部 中世文学

    中世が無常の時代というのは本当か            藤巻和宏
    和歌史において武士の時代はどう位置づけられるか     舘野文昭
    中世歌謡と信仰はどのように結びついていたか       中本真人
    中世に説話集が流行したのはなぜか            近本謙介
    『平家物語』は鎮魂の書か                佐伯真一
    『平家物語』の読み本と語り本はどう違うか       佐谷眞木人     
    『太平記』はどのような意図で書かれたのか        小秋元段       
    中世文学研究と「歴史学」の交錯             大橋直義
    お伽草子は中世の文芸か                 伊藤慎吾                
    中世の偽書                       千本英史 
    琉球をめぐる文芸                    目黒将史
    軍記文学史は必要か                   大津雄一

    第四部 近世文学

    日本における「文人」とは                池澤一郎 
    歌語「のどけし」にみる近世の歌論と実作         盛田帝子
    国学における実証性と精神性               田中康二
    浄瑠璃正本は実際の舞台にどれだけ忠実なのか       黒石陽子 
    歌舞伎人気はどれくらい地方にまで広がっていたのか    池山 晃
    『奥の細道』中尾本の意義はとこにあるのか        佐藤勝明        
    蕉風は芭蕉の何を受け継いだのか             深沢了子
    近世における写本と版本の関係は             塩村 耕
    十九世紀江戸文学における作者と絵師、版元の関係    佐藤 悟
    西鶴浮世草子をどう読むべきか             中嶋 隆
    近世に怪談が流行ったのはなぜか            佐伯孝弘           
    秋成にとって『春雨物語』を書く意味とは        長島弘明       
    馬琴の「隠微」とは何だったのか            板坂則子
    軍記はどのような人に読まれたのか           井上泰至
    近世文学における教訓性とは              倉員正江
    近世期における春画の用途と享受者           石上阿希


    執筆者一覧(執筆順)

    品田悦一(東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻教授)
    大浦誠士(専修大学文学部教授)
    小松(小川)靖彦(青山学院大学文学部教授)
    岡部隆志(共立女子短期大学文科教授)
    遠藤耕太郎(共立女子大学文芸学部教授)
    奥村和美(奈良女子大学研究院人文科学系教授)
    松田 浩(編者(→奥付参照))
    山田 純(相模女子大学学芸学部准教授)
    三浦佑之(立正大学文学部教授)
    猪股ときわ(首都大学東京人文科学研究科教授)
    烏谷知子(昭和女子大学人間文化学部教授)
    飯泉健司(埼玉大学教育学部教授)
    山本大介(大東文化大学文学部非常勤講師)
    渡辺秀夫(信州大学名誉教授)
    東 望歩(岐阜聖徳学園大学教育学部専任講師)
    渡辺泰宏(聖隷クリストファー大学社会福祉学部教授)
    正道寺康子(聖徳大学短期大学部准教授)
    山中悠希(東洋大学文学部講師)
    津島知明(国学院大学ほか兼任講師)
    鵜飼祐江(東京女子大学特任研究員)
    中川照将(皇学館大学文学部教授)
    竹内正彦(フェリス女学院大学文学部教授)
    三村友希(跡見学園女子大学兼任講師)
    上原作和(編者(→奥付参照))
    湯浅幸代(明治大学文学部准教授)
    仁平道明(東北大学名誉教授)
    藤巻和宏(近畿大学文芸学部教授)
    舘野文昭(国文学研究資料館学術資料事業部機関研究員)
    中本真人(新潟大学人文学部准教授)
    近本謙介(名古屋大学大学院人文学研究科准教授)
    佐伯真一(青山学院大学文学部教授)
    佐谷眞木人(編者(→奥付参照))
    小秋元段(法政大学文学部教授)
    大橋直義(和歌山大学教育学部准教授)
    伊藤慎吾(国際日本文化研究センター客員准教授)
    千本英史(奈良女子大学研究院人文科学系教授)
    目黒将史(立教大学兼任講師)
    大津雄一(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
    池澤一郎(早稲田大学文学学術院教授)
    盛田帝子(大手前大学総合文化学部准教授)
    田中康二(神戸大学大学院人文学研究科教授)
    黒石陽子(東京学芸大学教育学部教授)
    池山 晃(大東文化大学文学部教授)
    佐藤勝明(和洋女子大学日本文学文化学類教授)
    深沢了子(聖心女子大学文学部教授)
    塩村 耕(名古屋大学大学院人文学研究科教授)
    佐藤 悟(実践女子大学文学部教授)
    中嶋 隆(早稲田大学教育・総合科学学術院教授、作家)
    佐伯孝弘(編者(→奥付参照))
    長島弘明(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
    板坂則子(専修大学文学部教授)
    井上泰至(防衛大学校教授)
    倉員正江(日本大学生物資源科学部教授)
    石上阿希(国際日本文化研究センター特任助教)

    編者略歴

    松田 浩(まつだ・ひろし)
    修士(文学一慶慮義塾大学)。フェリス女学院大学文学部教授。専攻は日本古代文学(上代文学)。
    共著に『法制と社会の古代史』(慶應義塾大学出版会、2015年)、論文に「県守の虬退治と「妖気」と――『日本書紀』仁徳紀・聖帝伝承の叙述方法と「無為」」(『日本神話をひらく』フェリス女学院大学、2013年3月)、「漢字で書かれた歌集――「人麻呂歌集」の書記と「訓み」と」(『古代文学』古代文学会、2013年3月)、「歌の書かれた木簡と「万葉集」の書記」(『アナホリッシュ國文學』響文社、2012年12月)などがある。

    上原作和(うえはら・さくかず)
    博士(文学―名古屋大学)。桃源文庫日本学研究所教授・法人理事。
    専攻は平安時代物語文学、文献史学、日本琴學史。主著に『光源氏物語傅來史』(武蔵野書院、2011年)。共編著に『人物で読む源氏物語』全20巻(勉誠出版、2005〜2006年)、『日本琴學史』(勉誠出版、2016年)などがある。

    佐谷眞木人(さや・まきと)
    博士(文学―慶鷹義塾大学)。恵泉女学園大学人文学部教授。専攻は古典芸能、軍記物語、民俗学。
    主著に『平家物語から浄瑠璃ヘ――敦盛説話の変容』(慶腹義塾大学出版会、2002年)、『日清戦争――[国民]の誕生』(講談社現代新書、2009年)、『民俗学・台湾・国際連盟柳田國男と新渡戸稲造』(講談社選書メチエ、2015年)などがある。

    佐伯孝弘(さえき・たかひろ)
    博士(文学―東京大学)。清泉女子大学文学部教授。専攻は日本近世(江戸時代)文学。
    主著に『江島其磧と気質物』(若草書房、2004年)、共編著に『浮世草子研究資料叢書』全7巻(クレス出版、2008年)、『八文字屋本全集』全23巻(汲古書院、1992〜2000年)などがある。

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     日本古典文学の場合、学説の帰趨を知ることのできる工具書として、昭和の始めから刊行が継続されできた複数の日本文学専門誌があり、書店の月刊誌のコーナーにこれらが並んでいたため、容易に手にすることが出来たが、これらは、相次いで休刊となり、従来の知の共有法は途絶した。また、『古典文学必携』『諸説一覧』シリーズ等も陸続と刊行されて版を重ね、初学者や卒業論文の手引きとしてひろく活用されていたと記憶する。
    ところが、現在では、これらの類書すら稀少となり、日本古典文学を学び、愛好する者同士が、時代やジャンルを異にする新出文献や新見解の評価、あるいは論争の帰趨を共有することすら困難になっているといえよう。言い換えれば、古典愛好者間によって慣例化しでいた従来の情報共有方法、異分野の横断的な共通理解を提供する場が無くなっていることを意味するのである。
     本書では、上代、平安期(中古)、中世、近世、各分野学界最前線の研究者を執筆陣に配し、『古典文学の常識を疑う』と題して、新たな日本古典文学者のための必携書を目指したものである。
    【はじめに より】


    ■『古典文学の常識を疑う』

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    2017.06.21 Wednesday

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