『日韓怪異論 死と救済の物語を読み解く』

2017.05.21 Sunday

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    『日韓怪異論 死と救済の物語を読み解く』
      清泉女子大学「日本文学と怪異」研究会編


    平成29年5月15日、笠間書院発行
    A5判、196頁、定価2200円+税

    目次

    まえがき ……………………………………………   4

    機‘本編
     
     「火車」を見る者たち
       ――平安・鎌倉期往生説話の〈死と救済〉 
              藤井由紀子 ………………  13

    『源氏物語』における死と救済 
              藤本勝義 …………………  35 

    中世文学における死と救済
      ――能「鵺」をめぐって―― 
              姫野敦子 …………………  50

    死なせぬ復讐譚 ――『万の文反古』巻三の三
      「代筆は浮世の闇」を巡って―― 
              佐伯孝弘 …………………  66

    幸田露伴・泉鏡花における「死」と「救済」
              藤澤秀幸 …………………  80

    供ヾ攅駟

    朝鮮王朝小説における死と救済の相関性
      ――「淑英娘子伝」を中心に―― 
              沈致烈 ……………………  93

    「水陸斎」における死の様相と儀礼
          の構造的な特徴 
              金基珩 …………………… 114

    朝鮮王朝社会における儒教的転換と
          死生観の変化
              金祥淳 …………………… 127

    朝鮮王朝時代のあの世体験談の
          死と還生の理念性
              金貞淑 …………………… 147

    朝鮮王朝後期の韓国小説に見える
          女性の死と救済
              高永爛 …………………… 173

    あとがき …………………………………………… 191
    執筆者一覧 ………………………………………… 194

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    執筆者一覧

    藤丼由紀子  ふじい ゆきこ
    清泉女子大学准教授。専門は中古文学。

    藤本勝義  ふじもと かつよし
    青山学院女子短期人学名誉教授。博士(文学)。専門は中古文学。

    姫野敦子  ひめの あつこ
    清泉女子大学准教授。専門は中世文学。

    佐伯孝弘  さえき たかひろ
    清泉女子大学教授。専門は近世文学。

    藤澤秀幸  ふじさわ ひでゆき
    清泉女子大学教授。専門は近代文学。

    沈致列  シム チヨル
    誠信女子大学校教授。専門は韓国古典散文。

    金基珩  キム・ギヒョン
    高麗大学校教授。専門は韓国口碑文学。

    姜祥淳  カン・サンスン
    高麗大学校民族文化研究院HK教授。専門は韓国古典文学。

    金貞淑  キム・ジョンスク
    高麗大学校CORE事業団研究教授。専門は韓国漢文小説、漢文
    散文。

    高永爛  コウ・ヨンラン
    高麗大学校民族文化研究院HK研究教授。

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    ●本書の「まえがき」で、何故、日韓か、という点について、佐伯孝弘氏は、次の如く述べておられる。

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     なぜ、日本と韓国なのか――周知の如く、日本は有史以来長く中国文明の影響下にあり、日本文学も多分に中国文学(漢籍)を多く採り入れて来た。研究史的には、ジャンル論・系統論・作品論それぞれにおいて、典拠論・原拠論といった形で、中国文学の日本文学への影響が検証されて来た。ところが、朝鮮(韓国)の文学との関係についでは見落とされがちで、近年見直しがなされつつある。

    >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

    ●誠に、その通りだと思う。私は、かつて、『明心宝鑑』の諸本調査をしていた時、前間恭作氏の『古鮮冊譜』に出会い、大きな衝撃を受けた。朝鮮版の研究の必要性を痛感したからである。中国漢籍が日本文化に及ぼした影響は、誠に大きいものがある。しかし、遣唐使などが伝えた文化は、大きいにしても、膨大な中国の文化の、ごく一部分であった。海に隔てられていたから、日本は中国文化を消化することが出来たのではないか。この海に、大きな橋が架けられたならば、日本の小さな文化は、中国文化に、飲み込まれていたのではないか。
    ●膨大な中国文化は、朝鮮を経由して、少しずつ日本に伝わり、日本は、それを吸収して、日本特有の文化を形成することが出来たのではないか。そんな風に思ったことを思い出した。そのような意味でも、この度の日韓両国の共同研究は意義あるものと思う。収録の各論に関しては、これからゆっくり拝読して学びたいと思う。
     
    ■『日韓怪異論 死と救済の物語を読み解く』

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