雲岡 梓 著 『荒木田麗女の研究』

2017.05.19 Friday

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    2017年2月20日、和泉書院発行、A5判、396頁、
    定価11000円+税

    ●注文していた、雲岡梓氏の『荒木田麗女の研究』が届いた。オビに、

    当代一流にして異端の才媛の
    生涯と文学活動の全貌に迫る

    とある。ワクワクしながら、目次を見て、内容をパラパラ眺めた。素晴らしい内容である。
    ●著者は、「結論」で、次の如く述べておられる。
    、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

     以上のように多くの課題が残るが、本書ではともかく女流文学という枠組みを外し、麗女を一己の連歌作者、和学者、あるいは漢詩人として、その業績や活動を評価しようと努めてきた。もちろん女流文学者としての特性に注目す
    る研究方法を否定するつもりは毛頭ない。現在江戸時代の女流文学研究は全体的に立ち遅れ、一般に日本の女流文学は、平安時代を最盛期としてその後衰退し、明治時代に入って復活したと理解されている。本書は荒木田麗女の研究であると同時に、こうした平安女流文学を頂点として近世期を女流文学の停滞期と捉える通説を再考し、文学史の再構築を図ろうという試みの第一歩でもある。麗女研究としてここに明らかにした内容は、江戸時代の女流文学の一端に過ぎず、到底日本女流文学史の断絶を解消するには至っていない。今後麗女研究をさらに進展させるとともに、江戸時代の女流文学全体の解明に発展させて行きたい。
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    ●結構な、お考えである。本書の目次は、次の通りである。体系的である。一覧したのみであるが、細部の研究はこれからというところか。春秋に富む著者は、その充実と完成に向けて、さらなる精進をして欲しい。おそらく、近世女流文学を大きく進めるものとなるだろう。
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    序 論
    一、 荒木田麗女とは何者か
    二、 先行研究
    三、 女流文学者としての麗女

    第一部 麗女の連歌

    第一章 麗女の連歌――『麗女独吟千句』を中心に――
     はじめに
     一、麗女と連歌
      二、『麗女独吟千句』の概要
      三、自注とその引用書目
      四、自注の書入れ時期と方法
      五、『麗女独吟千句』と『類葉倭謌集』 
      おわりに
    第二章 『麗女連歌発句評・麗女独吟百韻』について
         ――麗女の連歌指導――
     はじめに
     一、『麗女連歌発句評・麗女独吟百韻』の成立
     二、『麗女連歌発句評』の概要
      三、『麗女連歌発句評』の全体像
      四、『句評留書』の概要
      五、「天明三年の春連歌千句思ひ立し発句評書」の概要
      六、伊勢連歌壇と麗女
      おわりに
    第三章 麗女と連歌会
     はじめに
      一、中世の女房連歌師と連歌会
      二、奈良の連歌会
      三、豊宮崎文庫月次連歌会
      四、草堂月次連歌会
      おわりに

    第二部 麗女の擬古物語

    第一章 麗女の擬古物語執筆方法――『五葉』を中心に――
      はじめに
      一、「あやめ」と『宇津保物語』
      二、「朝顔」と『源氏物語』
      三、「五葉」の典拠利用法
      おわりに
     第二章 歴史物語『池の藻屑』の特徴
      はじめに
      一、『池の藻屑』の諸本について
      二、『池の藻屑』の先行研究
      三、武人の「平安朝化」
      四、戦闘場面の描写
      五、『池の藻屑』の執筆姿勢
      おわりに
     第三章 『池の藻屑』の馬琴評――南北朝の正閏問題をめぐって――
      はじめに
      一、『池の藻屑』『月の行方』の評価
      二、馬琴の「池の藻屑」人手の経緯
      三、馬琴による『池の藻屑』評
      四、麗女の北朝正統論と節用集
      五、『開巻驚奇侠客伝』とのかかわり

    第三部 麗女と和学

    第一章 麗女と宣長――『野中の清水』論争をめぐって――
     はじめに
     一、『野中の清水』論争の発端と先行研究
      二、論争の経緯と『本居宣長慶徳麗女難陳』
      三、『本居宣長慶徳麗女難陳』にみる麗女と宣長の応酬
    四、宣長の添削・批評と麗女の反論
      五、宣長の誤り
      六、『本居宣長慶徳麗女難陳』同時代評
      七、麗女の学問観
    -  おわりに
     第二章 麗女と草廬
      はじめに
      一、麗女と草廬の交流
      二、『真字古今集をあげつろひし詞』 
      三、真淵・草廬・麗女の関係
      四、草廬・麗女の歌風
      五、麗女と和学者
      おわりに
    第二章 『真字古今集をあげつろひし詞』の検討
          ――『古今集』真名本をめぐって――
      はじめに 
      一、『古今和歌集真名本』について
      二、『古今集真名字解』について
      三、『古今集真名字解』の底本
      おわりに

    第四部 麗女の紀行文・漢詩

     第一章 紀行文『初午の日記』と『後午の日記』について
      はじめに
      一、『初午の日記』の概要
      二、文人との交流
      三、『初午の日記』の描写
      四、『後午の日記』の概要
      五、『初午の日記』と『後午の日記』
      おわりに
    第三章 麗女の漢詩
     はじめに
      一、麗女と漢詩
      二、麗女の家族と漢詩
      三、麗女の詩風
      四、漢詩人による麗女評
     五、麗女の自己評価
     おわりに

    第五部 荒木田麗女年譜稿

    資料編
      一、『麗女独吟千句』翻刻
      二、『をだまき』翻刻と解説
      三、『真字古今集をあげつろひし詞』翻刻
      四、『豊臣の辞・大江の賦』翻刻と解説

    結論

    初出一覧
    あとがき
    索引(人名・書名)

    ■雲岡梓著『荒木田麗女の研究』

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