津田左右吉著 『文学に現はれたる国民思想の研究』

2017.04.11 Tuesday

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    津田左右吉著
    『文学に現はれたる国民思想の研究』


     私は、かつて本書のように生き生きと、その時代を訴えかける書物に出会ったことがない。古代貴族社会、仏教的中世、戦乱の後に来る徳川時代、それらが著者の該博な知識に裏打ちされて展開され、その多面的かづ相対的な資料の取り扱いは、私たちに安心感をあたえるにじゅうぶんである。そして流れるように運ばれる筆の先に、時として光る創見のことばは、研究者に多くの示唆を与えてきたと思われる。
     私はこの古典的な名著を、日本の歴史、文学、思想を学ぶ学生にすすめたい。そこにはきっと、学ぶものをして触発せしめるような諸見解が限りなく包蔵されていることであろう。堅苦しさを感じさせない文章は、一般人にも、私たちの祖先のあゆんで来た姿を、そして明日への方向を示してくれると思う。私は、この名著の読者がほとんど研究者に限られていることを誠に残念に思う。(岩波書店・津田左右吉全集四巻〜八巻、各1200円)
    東京都墨田区 海老原春夫 会社員 30歳
    【サンケイ新聞 〔私のすすめる本〕1964年4月26日】

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    ●これは、私の若き日の一文である。私は、学生時代、津田左右吉、和辻哲郎、久米邦武は愛読していた。特に、津田左右吉には心酔するほどであった。後年、津田の説くところに、問題点を発見した時ほど、嬉しかったことはない。ようやく、津田に近づけたか、そう思ったのである。

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    2017.09.20 Wednesday

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