池田茂光氏の『井関隆子日記』6

  • 2020.06.26 Friday
  • 07:04
**幕末の才女「井関隆子日記」**

    ・・・ちょっと覗き見・・・その6

幕末の旗本婦人・井関隆子は天保11年から5年間、大変優れた日記を書き残しました。当時(1840年〜)は明治維新まで28年と言う激動の時代でした。隆子はこの日記の中で日常生活、社会の矛盾、天保の改革について、歴史や文学について、宗教について、その他当時の世相や現実から縦横に発想を飛ばし、忌憚のない批評眼を持って日記に記録しました。歌人としても当時から有名で、この5年間い及ぶ日記の中に、およそ800首も歌を詠んでいます。
先年亡くなったドナルドキーン氏もこの日記を大絶賛しています。
私はこの日記の意訳に取り組んでいますが、完成までに数年かかる予定ですので、その間、少しずつ「覗き見」的に内容を紹介しようとしています。ほんの僅かな抜き書きですが「井関隆子日記」の雰囲気だけでも感じて頂けたら幸いです。

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天保11年4月6日(現在の5月〜6月)
今日は右大将の君(徳川家定、後の13代将軍)の疱瘡快癒を願って酒を入れた湯を浴びさせる儀式あった。そのため皆登城して、酒肴を頂いたそうだ。我が家の主親経(隆子の子)も登城し、紅葉の間で饗応に与った。この平癒を願う願掛けや祈祷などは各地で行われている。
疱瘡は近年冬から春夏に掛けて病む者が絶えない。亡くなる人も多い。私の孫も一人この病で亡くなった。4歳だった。
多くの家では疱瘡の神を祀って神頼みする。しかし我が家では孫が亡くなって以来、忌々しくて全くしなくなった。だいたいこんな神を祀っても、かえって祟られたり苦しめられたりすることも多いのだ。
世間では様々なことを考えて生業とする者がいる。そんな中で人の道に外れたことをする者も増えて来た。
人の性と言う者だろうか、例えば家相を見るなどと言って、家の建て方が悪いから禍があるぞとか、地相が悪いから不幸を招いてしまうなどと言い要らない工事をさせたりして大切な貯えを失わせる。埒もない事に騙され、財を投げうってしまう。これも人間の性だと言うのだろうか。
いずれにしても人の心はそれほど惑いやすいものだと言うことだ。

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流行り病の疱瘡も当時は命取りになった。今の新型コロナのようなものだろうか。新型コロナもワクチンの開発が待たれる。

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●池田茂光氏の御努力で、井関隆子が、よみがえる。有難い事である。

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  • 2020.09.22 Tuesday
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