電子雑誌 SooK

  • 2020.06.25 Thursday
  • 00:07
電子雑誌 SooK

。。。。。。。。。。。。。。。。。

2008年09月25日

小学館の電子雑誌SooK(スーク)休刊は「最初から」見えていた

小学館が、2007年6月創刊のパソコン向け電子雑誌「SooK(スーク)」を、9月末で休刊する。

この電子雑誌、「紙の雑誌」を画面に再現することに注力していた。具体的には、専用プラグインを使って「ページをめくるように」記事が読める。文字も縦組みだ。


内容は、中高年向きの月刊雑誌7誌という体裁。雑誌名としては以下。

逸楽雑誌『フォーマルの流儀』
グッドデザインマガジン『Designer's Style』
田園生活誌『農家に棲む』
探検発見雑誌『ダーウィンのひ孫』
楽園雑誌『渚でくらす』
ノスタルジーマガジン『昔、売ります』
平成元禄草紙『江戸前の手引き』

誌名からも想像が付くように、得意のラピタ路線の中高年狙い。


元々は有料コンテンツで、月額787円ほど払えば、「7誌とも読み放題」というやり方だ。

だが、目標の有料会員1万人の1/10も会員が集まらなかったという。報道を読む限り、小学館の担当者は、「紙の雑誌のスタイルは求められなかった」「課金システムが面倒がられた」「読者対象がパソコンになじみが薄かった」などと総括しているようだ。

読者対象などはその通りで、「じゃあなんで始めたんだよ」とツッコミたくもなるが、しかし、このスーク、後付け講釈で申し訳ないが、小学館の担当者の総括とは別の部分で、最初から失敗が見えていたと思う。


まず、7誌に散らしたというものの対象読者が同じで、さらにテイスト的に似たり寄ったりだ。編集者としてプロの目から見ると、それぞれの媒体のコンセプトや誌名など、1雑誌として詰めに詰めて考えたというより、お気楽に思い付いた、単なる特集記事1本レベルな気がする。なんだよ「昔、売ります」って誌名。

「月刊誌7誌も読めて780円!」というお得感を狙ったんだと思うが、ターゲットもテイストも同じなため「1冊の雑誌を7つにバラバラにしただけ」という印象のほうがむしろ強く、かえって割高な感じだ。

「対象を絞る」という雑誌の強みを追求するのはいい視点だと思うが、なんだか羊頭狗肉感がある。これでは無料情報に慣れたネットユーザーが飛びつくとは思えない。ユーザーが増えなければ、対象を絞って広告を配信するという本筋のビジネスモデルも構築できない。


さらに、プラグインの読み込みに時間が掛かるので、「さあ読もうか」と思ったときに萎えてしまう。ネットユーザーは、たとえば新聞記事でもローディングに時間が掛かると、そのページは読まずに閉じて他のサイトの同一記事に飛んでしまうのが、よくある行動だ。

加えて、記事に気になるところを見つけても、コピーペーストができず、情報として活用できない。仕方ないので印刷しようと思うと、印刷も禁じられている。これでは、紙の雑誌以下の使い勝手だろう。コピペは無理でも切り抜けるわけで。有料で買ってるのにコピペ不可ってのはなあ……。


このように、弱点は、「著作権維持に過敏になるあまり、読者の利便性を無視」「紙の雑誌をそのまま電子化すれば、デザインを含めた質の高さで人気になるだろうという、思い込み」「ローディングに時間が掛かっても、紙をめくるギミックを入れるなど、間違った方向に凝った作り」といったところにある。

これらは、いかにも「出版社らしい」間違いと言える。

まず第一に、ネットユーザーは無料情報に慣れているのでロイヤリティーが低く、利便性の低いサービスは、すぐ他のサービスに代替される。勝負は「ガワ」じゃなくて「使い勝手」だ。

次に、ユーザー環境で表示はさまざまなので、そもそもWebデザインではエディトリアルデザインのようにミリ単位の正確な気持ちよさを求めても意味がないというか、求められていない。わざわざ閲覧ツールを作る必要はない。「縦組みにこだわった」と言われても、プロの編集者の目で見ても「別にいらんし」とか思えない。

さらに最後の点でいえば、きちんと市場調査せず、自らの思い込みで突っ走ったのではないか。


あと多分、勘だけど、会社からの本気の支援がなかったんじゃないかな。去年最初に見たとき、なんだか「不幸な生い立ち」感があったが、やっぱりという結論になってしまった。しょせん傍流がやらされた、上層部や周囲からは好き勝手な要望ばかり押しつけられた、かわいそうなプロジェクトだったのだろう。私もそういう経験をしているので、気の毒に思う。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

●私は、この電子雑誌スークのスタートと同時に購入した。結構楽しかった。今日、このような意見に出会って、そうか、とも思う。

●スタッフとの交流もあり、高級なトースターを購入したこともあった。楽しい思い出である。


スポンサーサイト

  • 2020.09.22 Tuesday
  • 00:07
  • 0
    • -
    • -
    • -
    コメント
    コメントする