令和版『可笑記』

  • 2019.11.25 Monday
  • 11:16
令和版『可笑記』


●山形新聞、2019年11月8日付の〔談話室〕、如儡子・斎藤親盛を取り上げていた。御子孫の、斎藤豪盛氏に依頼して、コピーを送って頂いた。

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山形新聞 2019年11月8日〔談話室〕

▼▽日本で木版印刷術が急激に発達した江戸初期、仮名書きの書物「仮名草子」が流行した。「可笑記」もその一つである。多彩な分野の本が出版される中、「徒然草」に倣った随筆風の世相批判で広く人気を集めた。
▼▽浪人・如儡子の筆による。仕官がまならぬ立場故か、身分や欲得などにまつわる人生訓はひねたおかしみをまといながらも極めて鋭い。例えば他人からの贈り物について。「この品物を受け取る正当な理由があるか否か」を直ちに判断することをおろそかにするなと説く。
▼▽それを怠れば欲が生じて、受ける理由のない贈り物を受け取り後悔することになるだろうーと続く。某電力会社の幹部たちには遅すぎる警句か。さてこの如儡子、本名を斎藤親盛といい元は最上家の家臣だった。最上家の改易に伴って流転の末に、江戸で文才を開花させた。
▼▽可笑記の跋文には、若者の読書離れを憂え、書物に親しむ糸口になることを願って書いた旨が記されている。文化庁の直近の世論調査で67%強が「読書量が減っている」
と答えた。可笑記の初版から約380年。如儡子のことだ、冥府で令和版を執筆しているかもしれない。

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