『近世初期文芸』創刊50年

  • 2019.11.08 Friday
  • 00:07
『近世初期文芸』創刊50年

●近世初期文芸研究会の機関誌『近世初期文芸』は、本年末に、第36号が発行される。創刊から50年が経った。第1号の「あとがき」は、次の通り。島本昌一先生と私の2人、御茶ノ水の喫茶店で書いた。

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 あとがき

 室町末期から江戸初期にかけての時代の変化は、まことに興味
深いものかおる。
 そして、この時代の文芸もまた、日本文学史の研究を志す者に
とっては、多くの示唆をあたえるものである。
 しかし、その研究が十分進んでいるとは思われない。
 一つの理由は、資料の分散と未整理である。さらに重要な事は、
 この期の作品が、既成の研究方法ではとらえる事のできない多様
 性をもっているということである。そして、持続的な研究者もま
 たすくない。孤立した研究は、この時代の文芸を十分に解明し得
ないと思われる。
 この研究会は、近世初期に関心をもたれる人々の援助をも得て、
 資料の調査・整理、およびそれを使っての研究を継続的に進めて
 ゆきたいと思っている。
       一九六九・十  近世初期文芸研究会

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●50年間で、36号、年刊ならば、50号になっていたはずである。島本先生は、長期間に亙って、アメリカ、イギリスの図書館所蔵の、初期俳諧、仮名草子の調査をされた。私は、一時、仮名草子から離れ、近世末期の『井関隆子日記』の研究に取り組んだ。そのような事情によるものである。

●第1号から第35号まで、収録論文等は、188点、新刊紹介等は、97点である。
創刊号を出した時、ある大家から、「近世初期とは、小さすぎる」とお叱りを頂いた。しかし、私は、無視し続けて、現在に至っている。〔近世初期〕は、決して小さくは無い。そう思っている。

●近世初期は、日本全国、戦乱も収まり、久々の平和が訪れた、大啓蒙期である。人々は、古代・平安朝・中世の文化遺産を吸収し、新しい思想としての、儒教思想を積極的に取り入れた。そうして。自分たちの意見を、それぞれの作品に盛り込んだのである。

●西鶴・芭蕉・近松、の元禄文化は、近世初期の人々の努力があって、初めて花開いたのである。島本先生も、私も、この近世初期の文化に、大変な興味を抱いたのである。50年前のことになる。   2019年11月




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