研究者の蔵書

  • 2019.08.04 Sunday
  • 07:02
研究者の蔵書

●過日、森川昭先生の御蔵書が〔夷參文庫〕と命名されていることを知った。森川先生は、御蔵書に〔相国夷參森川氏蔵書印〕の蔵書印を押されている由、その印影も、お送り下さった。〔夷參文庫〕は、東京芸大名誉教授・小木太法氏の刻、〔相国夷參森川氏蔵書印〕は、小木氏門下の篆刻家の刻とのこと。いずれも、見事なものである。

●森川先生は、個人誌『夷參』を刊行され、継続的に、研究成果を世に問うておられるが、その『夷參』の題字は、鳴海在住の書家・俳人の宇佐美魚目氏の書。今回、宇佐美氏の刻という 〔あ〕陰刻の小印も見せて頂いた。私は、横山重先生の〔アカキ〕の陽刻小印を思い出した。

●あの膨大な研究成果を出された、森川先生の御蔵書である。大変なものだろうと推測される。その蔵書印を拝見して、押された御蔵書に思いを馳せた。

●私が、初期俳諧について御指導頂いた、島本昌一先生の御蔵書もすごかった。私は、一時、下北沢の島本先生のお宅に、自由に出入りさせて頂き、その御蔵書を閲覧、利用させて頂いた。

●先輩の中では、中世文学の小沢良衛先生の御蔵書と、京伝研究の清水正男先生の御蔵書が記憶に残る。小沢先生は、広い書庫に、整然と整理されていた。清水先生の御蔵書の数も半端ではなかった。ここから、あの成果が生まれるのか、思わず、姿勢を正さずにいられなかった。

●それに引き換え、私の蔵書は、実に淋しいものである。私は、研究生活を始めた時から、基本的に、写本・版本などは、所有せず、図書館の蔵書を利用する方針をたてた。故に、住所は、図書館との関係を重視した。国会図書館、日比谷図書館、早稲田大学図書館、等々に1時間半で行ける所に限定した。勤務先も地方の大学へは行かなかった。

●先年、終活に入り、書斎の蔵書も整理したが、大したものは無かった。それでも、神田の一誠堂書店が来てくれて、トラックで引き取ってくれた。それだけでも感謝している。


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  • 2020.09.22 Tuesday
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