木越治・勝又基『怪異を読む・書く』

2018.12.05 Wednesday

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    『怪異を読む・書く』
    木越治・勝又基 編

    2018年11月20日、国書刊行会発行
    A5判、490頁、定価5800円+税

    目次

    怪異を読む 7

    〈鉄輪〉の女と鬼の間――現報に働く神慮をめぐる一考察  西村聡  9
    怪異の対談  西田耕三  21
    幽霊は実在するか表象か――「代筆は浮世の闇」試論  高橋明彦  39
    「白蛇伝」変奏――断罪と救済のあいだ  丸井貴史  51
    怪異と文学――ラヴクラフ卜、ポオそして蕪村、秋成  風間誠史  71
    紀行文としての『折々草』と『漫遊記』  紅林健志  89
    前期読本の有終ーー『四方義草』と『一閑人』  木越俊介  107
    日常への回帰――『春雨物語』「二世の縁」小考  加藤十握  123
    「第六夜」の怪異――夢を夢として読むために  杉山欣也  137
    ”怪異‘’の果てーー泉鏡花「間引菜」を読む  穴倉玉日  151
    神秘のあらわれるとき――小林秀雄「信ずることと知ること」をめぐって  権田和士  171
    「任氏伝」を読みなおす――長安城内に生きた西域人の女性の描写から  閻小妹  187
    Long Distant Call――深層の礒良、表面の正太郎  木越治  215

    怪異を書く  233

    『三井寺物語』「八月十五夜に狂女わが子に尋逢し事」考――謡曲「三井寺」との比較を通して  
    金永昊  235
    医学と怪談――医学的言説に基づく怪異の源泉と奇疾の診断  李奕諄・クラレンス  251
    都市文化としての写本怪談  勝又基  263
    都賀庭鐘が『通俗 医王耆婆伝』に込めたもの  木越秀子  277
    怪談が語られる「場」――『雉鼎会談』を素材として  近衛典子  295
    綾足・伎都長歌考――仏説歌の位置  奥野美友紀  313
    『雨月物語』の「音」――名作の理由  井上泰至  333
    化け物としての分福茶釜  網野可苗  349
    「不思議」の展開――近世的世界観の一端  宍戸道子  369
    文化五年本『春雨物語』「樊噲」と阿闍世説話  三浦一朗  385
    『小萬畠雙生種蒔』考――二ツ岩団三郎の怪談と読本  高松亮太  403
    「お化」を出すか、出さないかーー泉鏡花と徳田秋聲から見る日露戦後の文学  大木志門  423
    亡霊と生きよーー戦時・戦後の米国日系移民日本語文学  日比嘉高  441

    あとがき  463

    木越治教授略年譜・著述目録     (丸井貴史氏編 より抜粋)

    1971年3月   金沢大学法文学部文学科国語国文学専攻課程卒業
    1974年3月   東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専修課程修士課程修了
    1975年10月  東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専修課程博士課程中途退学
         10月  富山大学教養部講師
    1979年4月   富山大学教養部助教授
    1983年10月  金沢大学教養部助教授
    1996年4月   金沢大学文学部助教授
    1998年10月  金沢大学文学部教授
    2008年4月   金沢大学人間社会域歴史言語文化学系教授
    2010年4月   上智大学文学部教授
    2014年3月   上智大学定年退職
         4月   上智大学特別契約教授
         4月   金沢大学名誉教授
    2015年3月   上智大学特別契約教授退職
              退職後、上智大学、清泉女子大学、武蔵中学にて非常勤講師

    2018年2月23日 死去(享年69)

    学位   博士(文学)  1996年3月  東京大学  学位論文「秋成論」

    著書

    秋成作品選(共編)  1985年4月  桜楓社
    世間妾形気〈影印〉(編集)  1989年3月  和泉書院
    マンガ雨月物語(画・岸田恋)(監修)  1990年6月  河出書房新社
    新日本古典文学大系79 本朝水滸伝・紀行・三野日記・折々草(共編)  1992年10月  岩波書店
    叢書江戸文庫34 浮世草子怪談集(編集)  1994年10月  国書刊行会
    秋成論  1995年5月  ぺりかん社
    江戸怪異綺想文芸大系2 都賀庭鐘・伊丹椿園集(共編)  2001年5月  国書刊行会
    米国議会図書館蔵古典籍目録(共編)  2003年2月  八木書店
    西鶴――挑発するテキストーー〈国文学解釈と鑑賞別冊〉(編集)  2005年3月  至文堂
    秋成文学の生成(共編)  2008年2月  森話社
    講談と評弾――伝統話芸の比較研究――(編集)  2010年3月  八木書店
    上田秋成研究事典(共編)  2016年1月  笠間書院
    江戸怪談文芸名作選(I〜5)(責任編集)  2016年8月〜  国書刊行会
    江戸怪談文芸名作選1 新編浮世草子怪談集(校訂代表)  2016年8月  国書刊行会

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    勝又基(かつまた もとい)

    1970年静岡県生まれ。1993年金沢大学文学部卒業。2001年九州大学大学院博士課程修了。博士(文学)。明星大学日本文化学部専任講師、同准教授、ハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員を経て、現在、明星大学人文学部教授。
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    論者略歴(抜粋)

    西村聡(にしむら さとし)
    金沢大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、金沢大学教授。
    西田耕三(にしだ こうぞう)
    東京大学文学部卒。東京都立大学大学院中退。熊本大学教授を経て、近畿大学文芸学部教授。2011年退職。
    高橋明彦(たかはし あきひこ)
    東京都立大学大学院博士課程退学。現在、金沢美術工芸大学教授。
    丸井貴史(まるい たかふみ)
    上智大学大学院博士後期課程修了。現在、就実大学人文科学部講師。
    鳳間誠史(かざま せいし)
    東京都立大学大学院博士課程修了。相模女子大学教授。
    紅林健志(くればやし たけし)
    総合研究大学院大学博士後期課程修了。現在、国文学研究資料館機関研究員。
    木越俊介(きごし しゅんすけ)
    神戸大学博士課程修了。現在、国文学研究資料館准教授。
    加藤十握(かとう とつか)
    立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士前期課程修了。現在、私立武蔵高等学校中学校教諭。
    杉山欣也(すぎやま きんや)
    金沢大学文学部文学科卒業。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。博士(文学)。現在、金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系教授。
    穴倉玉日(あなくら たまき)
    金沢大学大学院博士課程単位取得満期退学。現在、泉鏡花記念館学芸員。
    権田和士(ごんだ かずぴと)
    金沢大学文学部卒。東京大学大学院人文社会研究科満期退学。現在、群馬県立女子大学文学部教授。
    閻小妹(えんしょうまい)
    中国黒龍江大学卒。東京都立大学大学院博士課程単位取得満期退学。現在、信州大学教授。
    金永昊(きむよんほ)
    韓国外国語大学卒。金沢大学大学院博士後期課程修了。現在、東北学院大学教養学部言語文化学科准教授。
    李奕諄・クラレンス (リーイジュン・クラレンス)
    シンガポール国立大学日本研究学科卒業、口目企研究学科卒業、コーネル大学アジア研究学科修士博士課程修了。現在、コロラド大学ボルダー校助教授。
    木越秀子(きごし ひでこ)
    金沢大学大学院博士課程修了。
    近衛典子(このえ のりこ)
    お茶の水女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻中退。博士(人文科学)。現在、駒澤大学教授。
    奥野美友紀(おくの みゆき)
    東京都立大学大学院人文科学研究科単位取得満期退学。博士(文学)。現在、富山大学・富山県立大学非常勤講師。
    井上泰至(いのうえ やすし)
    上智大学大学院博士後期課程満期退学。現在、防衛大学校教授。
    網野可苗(あみの かなえ)
    上智大学大学院博士後期課程満期退学。
    宍戸道子(ししど みちこ)
    早稲田大学文学研究科博士課程単位取得退学。明治大学非常勤講師。
    三浦一朗(みうら いちろう)
    東北大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、武蔵野大学教授。
    高松亮太(たかまつ りょうた)
    立教大学大学院博士後期課程中退。現在、県立広島大学専任講師。
    大木志門(おおき しもん)
    立教大学大学院博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、山梨大学准教授。
    日比嘉高(ひび よしたか)
    金沢大学文学部卒、筑波大学大学院文芸・言語研究科修了。博士(文学)。現在、名古屋大学大学院人文学研究科准教授。
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    〔あとがき〕 より
     じつは、本書にはもうひとつの目的がある。それは、平成三十年二月二十三に逝去された日本近世文字研究
    者、木越治先生の霊前に捧げることである。
     そもそも本書は、先生の古稀記念出版として計画したものであった。最年長の弟子である筆者が先生に声をか
    けたのは、手控えによれば、およそ四年前の平成二十六年十月。それから紆余面折あって、国書刊行会の編集者・
    伊藤昂大氏とはじめて話し合いの場を持ったのが平成二十八年六月のことであった。先生のご意向に沿って執筆者を選定し、執筆依頼状を各氏にお送りしたのが平成二十八年八月。今から二年以上も前である。先生とは「古稀記念だからといって雑多な論文の寄せ集めではつまらないでしょう」「では怪異で書いてもらおう」「誕生日も兼ねた出版記念パーティーは派手にやりましょう」「じゃあ金沢沢の仲間をよんで太鼓でも披露しようかな」などと話が弾んだ。このように余裕と希望に満ちだ船出であったのだが、すでに論文も集まり始めた今年になって、先生はあの世へ旅立ってしまわれた。   【勝又基】
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    ●木越治先生の『怪異を読む・書く』が刊行された。ここに掲出した、勝又基氏の〔あとがき〕にあるように、本来は、木越先生の古稀記念出版として出すべき本だった。しかし、先生は、本年2月、急逝されてしまわれたのである。優れた才能を持ち、多くの業績を残された先生であるが、この度の論文集の執筆陣を見ても判るように、先生は、教育者、指導者としても、並々でなかったことを知ることができた。

    ●この論集に収録された、木越先生の、「深層の磯良、表層の章太郎」を拝読して、感慨深いものがある。私は、法政の大学院へ進学していたならば、重友毅先生の下で、上田秋成を研究する予定だった。『桜山本 春雨物語』を出したのも、そんな関係からであり、この本に関しても、木越先生に、助けてもらった。

    改めて、心から感謝申し上げ、先生の御冥福をお祈り申し上げる。


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    2018.12.14 Friday

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